【五等分の花嫁94話感想】『夢』に突き進む一花! 悔いなく終わらせるために──『過去』の少女らは再び相見える。
(五等分の花嫁94話:『分枝の時①』より)
──────────────────
今週の『五等分の花嫁』、読了しました。
眠い目を擦りながらマガポケを開き、のんびり本編の方を読み進めていった私サッチソではありましたが、ラストページに立ち入ったところで、『いよいよか…!!』という思いに駆り立てられ、すっかりアドレナリン全開になりました。(笑)
理由は…まあ、これまでにも私のブログを読んでいただけている方なら御察しかと思われますが、“彼女ら”が解き放たれる展開の訪れを、激しく予感させられることとなったからです。
恐らくは長編になると予想される、この【分枝の時】編。
まだまだ序盤ではありますが、この長編を終えた先に一体どんな展開が待ち受けているのか、今から楽しみで仕方がありません。
これから紡がれていくのは、五つ子ちゃんたちの『分枝』のお話。
その筆頭に立つ長女・一花の心情にしっかりと目を向けつつ、今週もじっくり本編を振り返っていこうと思います。
①一花の覚悟
まずは冒頭。
マルオから連絡を受け、一花の決断を知ることとなる風太郎の姿が描かれました。
『一花君からの申し出だ』というマルオの発言から考えるに、第91話における一花の電話の相手は、恐らくはマルオであったのでしょう。
風太郎はもちろんのこと、その話を聞いた時のマルオが一体何を思ったのかもまた、大いに気になるポイントですよね。
この長編では、そういった部分も少しは描かれることとなるのでしょうか?
今後の展開に期待したいところです。
ここで場面は切り替わって、先週のお話の続きから。
一花の話を、『聞こえない』とする二乃。
しかし、一花が話を止めることはありません。
なるほど…。
確かに、そうした事情を踏まえると、このまま学校に通い続けることは些か非効率的に思えます。
一方で、彼女の発言から読み取れる通り、『受けない』選択肢もあったのも恐らくは事実。
当然、今回の選択が彼女自身の『夢』のためのものであることは間違いありませんが、学校を辞めざるを得ないような道に自身を追い込むことにより、“未練”(=風太郎への恋心)を断ち切るつもりであったことは容易に想像がつきます。
…まったく、やっていることが“どこかの誰か”にそっくりですね。
「お仕事に専念したいから」
二乃の涙ながらの訴えも、その一言で一蹴されてしまいました。
一花の決断に対して、『応援する』という姿勢を示す四葉ちゃん。
勘のいい彼女のことですから、当然、姉の真意──風太郎を諦めるつもりであることには気付いていた筈。
なればこそ、それを口にした四葉ちゃんの心情が気になるというものです。
個人的に考えたのは、“風太郎を諦めるため”に動く…なんて、自分と似た立場にいる姉を応援することで、自分の“正しくない”在り方を肯定しようとしたのではないか、というもの。
そしてまた、それを決して“正しくない”こととして本人がきちんと理解しているからこそ、
「一花をお願いします」
この言葉が出てきたのではないかとも。
もしもそうだとしたら、今回この描写があったことは、確かな僥倖であったように思います。
四葉ちゃんが、もう一度真正面から自分の気持ちと向き合える日の到来…そんな兆しが読み取れる一幕でありました。
さて、場面はさらに移り変わり、舞台は学校へ。
先生への挨拶を済ませ、校舎の中を歩き回る中、一花は部活に励む同級生などともいくらか言葉を交わします。
CMに出演するなどして、まさに順調な女優業。
『有名人』だなんて言われて、一花も満更でもなさそうですね。
きっとこの表情に嘘偽りは無くて、彼女は本心から喜んでいるのだと思います。
だって、女優として成功することは、一花の『夢』なんですから。
それが確と伝わっているからこそ、作中の登場人物たちも、我々読者も、彼女の進む道を応援してあげたいと、心の底から思う。
…しかし、
姉妹として…同じ少年に恋をした“ライバル”として、文字通り誰よりも近くで一花を見てきた三玖たちには、当然思うところがあるわけで…。
「私といることがまだ辛い?」
風太郎への強い愛情が引き金となって、引き起こしてしまった、修学旅行での『事件』。
最終的には、三玖や姉妹にとって良い方向に収束してくれたわけですが…それはあくまで、結果論でしかありません。
姉妹の助けや、他ならぬ三玖の優しさがなければ、今も『戦争』は続き、姉妹の関係性も最悪のものとなっていたかもしれない。
当事者として、誰よりもそれを実感し、深く反省しているからこそ、
自分が許されていい筈がないと、
フータロー君を好きでいていい筈がないと、
本当の気持ちに『嘘』を吐いてまで、一花は自らの心を強く縛り付ける。
…繰り返しになってしまいますが、やはり彼女の現状は、“どこかの誰か”に非常によく似ています。
強い覚悟が故に、姉妹からの説得の言葉が届かないのもまた然り。
そうなるとやはり、彼女の心の解いてやるためにも、
この男の存在は必要不可欠のはず…!!
流石は我らが主人公、風太郎さん。
彼はただ突然現れたのではなく、きちんと一花の『本心』に寄り添う形で、最善の策を提示してみせます。
「また お前が個人的に俺を雇うんだ」
風太郎が止めにくるのは当然のこととして考えてはいましたが、そのアプローチ方法についてはイマイチ想像がついていなかったため、これには、「なるほど」と素直に感心させられました。
「ビジネスだ」…なんて言っている彼ですが、その胸中には『五人で笑顔で卒業して欲しい』といった思いがあるのは明白。
マルオから連絡を受けてから、なけなしの体力を振り絞ってここまで走っている姿、なんとか方法を見つけ出そうと先生に話を聞きにいく姿なんかを想像していると、なんとも胸が熱くなるではありませんか。
そしてそれは、きっと一花も同じだったと思います。
…が、
一花の意志は固く、あえなく交渉は決裂。
当然と言えば、当然の結果だったのかもしれませんが…やはり考えさせられるところがありますよね。
風太郎の傍にいられること、彼の優しさに触れられることは確かな幸福であり、救いでもあって…それでいて、自己嫌悪に陥る大きな要因でもある…。
正直、難しい…なんてものではない問題です。
彼女が本当の意味での幸せを得るために必要なもの…残念ながら、私にはまだそれがはっきりとは見えていません。
なればこそ、今後の展開を読み進めていく中でそれを見出せるよう、しっかりと本編を読み込んでいこうと、そんな覚悟を改めさせられたところでありました。
一花よ、あの日の笑顔をもう一度…!!
②それぞれの懸念
さて、ここでいくらか、個人的に少し気になった部分について、順を追って言及していこうと思います。
最初はこちら。
「本当にあんた自身の言葉かしら」
五月の言葉が、母・零奈を真似てのものであったことは言うまでもありません。
無論、それが本心であった可能性もあるのだとは思いますが…我々読者も、『零奈』を介してしか“本当”の中野五月を見ることができていない以上、彼女に関してはまだ何も言えないのが現状です。(以下は憶測)
ただ、風太郎が電話を受け取ってからの場面転換、四葉ちゃんの入浴のタイミングなどを考えるに、今回のお話の日付がまだ8月14日…つまり、零奈さんの命日のままである可能性がありますよね。
途中から二乃と五月の姿が見えなくなった点から、水面下で五月の本質に触れるためのエピソードが展開されつつあるのかもしれません。
やはり、五月に纏わるエピソードがないまま、8月14日のお話が終わるとは、少しばかり考え辛いところがあったので、こういった形で言及させていただきました。
…まあ、ただの願望なのですが。
というか、ばちこり終わってる可能性もあるのですが。
続いてはこちら。
三玖の勧めるバイト先となると、真っ先に『こむぎや』が思い浮かぶわけですが……うーん、このタイミングを考えると些か疑問が残りますよね。
この一件が、今後の展開に大きく関わってくるであろうことはなんとなく予想できますが、そこから先は何とも…。
これに関しては、本編で答え合わせが来るまでの『宿題』として、Twitterやコミュニティなどを見て様々な意見を取り入れ、自分なりの予想を立てていこうと思っております。
この記事を読んでいる皆さんも、何か考えていらっしゃることがありましたら、ぜひTwitterやコメント欄にいらしてください。
また、風太郎の「このままじゃ金たりねぇ」という台詞も、少し気にかかりました。
借金問題が解決していないことはもちろん分かっていますが、一度家庭教師をクビになり、マルオに認められるまでの期間には特にそのような素振りを見せていなったわけですし…。
五つ子たちのために何かを画策しているのか…あるいは、密かに借金問題が深刻化しているのか…。
まあ、十中八九、ただの深読みだとは思いますが。
これに関しても『宿題』にして、もう一度改めて考えてみようと思います。
皆さまも何かお考えがあれば、ぜひ協力お願い致しますm(_ _)m
それでは最後に、本編ラストに纏わるポイントについての話題に参りましょう。
「これでいいよね。 あとは…」
風太郎との話を終えた一花は、“何か”に思いを馳せながら、一人歩を進めます。
姉妹たちと話し、学校にも挨拶を済ませ、風太郎への気持ちにも自分なりに決着をつけた。
『悔いなく終わらせる』ために、最後のピースとなるのは…
六年前のこと…!!
以前からこの展開が来ることは予想していましたが、いざこうして本編で目の当たりにすると、いよいよワクワクが収まりません!
個人的には、四葉ちゃんが写真を渡されたり、彼女の視点では語られなかった“過去”が一花の口から語られたりするのかなぁ、なんて妄想を膨らませているところです。
加えて、一花が四葉ちゃんの気持ちに気付いているのか否かは、注目すべきポイントでしょう。
気付いている(or話の中で気付く)のなら、旅行での一件の対比として、一花が四葉ちゃんの背中を押すシーンが描かれるのでしょうし、そうでないにしても、四葉ちゃんが『真実』を伝えられるための過程における、重要な役割を果たしてくれるに違いありません。
ただ、前者の場合、四葉ちゃんが素直にそれを受け取れるとは思えないというのもまた事実。
来週のお話は11巻収録話の最終話ということで、何かしらビックサプライズが待ち受けていると予想されますし、一癖も二癖もある展開が成されるかもしれません。
いずれにしても、一花と四葉ちゃん、お互いがお互いに何かしらの影響を与え合ってくれるのは間違いありません。
二人の接触が物語にどう関わっていくのか…私、気になります!
そういったところで、いよいよ今週の総括に入っていきましょう。
◎まとめ
はてさて、今週の感想を一言でまとめますと…
今週話では、“久々”にまともに会話をしている二人が描かれたわけですが、バスタオル一枚の四葉ちゃんの姿に驚く風太郎の様子には、もうニヤニヤが止まりませんでした。
風太郎自身、やはり四葉ちゃんのことを確実に女の子として意識しつつあるのですよね!
また、既に六年前の少女だと気付いている可能性すらありますし、本編ラストの展開を考えても、二人の関係は今後も目が離せません!
ブランコもギコギコ言ってる(=壊れかかっている)と言ったところで、四葉ちゃんが“枷”から解き放たれる展開の訪れも、決して遠くないのでしょう!
本稿冒頭でも語ったように、『いよいよ』なのです!
今こそ日本中…いや、世界中のリボンの民が、立ち上がる時!
我らが大天使、中野四葉に祝福あれ!!