【五等分の花嫁93話感想】ツンデレツンな二乃のお話。そして、巣立ちへ向かう少女が一人──。
(五等分の花嫁93話:『ツンデレツン』より)
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今週の『五等分の花嫁』、読了しました。
全サッチソさんが泣いた第90話にて、過去編が一応の終了を見せて以降、本編の方では日常回と呼べるお話が綴られてきたわけですが…
既に本編を読み終えていらっしゃる方は分かっている通り、物語もいよいよ佳境に入ってきそうな、そんなラストでしたね。
今後の展開では、より本格的に五つ子ちゃんたちの『夢』や『巣立ち』にフィーチャーしたお話が紡がれていくのでしょうが、そのトップバッターとなるのが“彼女”だという点が、なんとも運命的に思えました。
本編ラストで明らかになった、“彼女”の『意志』。
それが、今後の展開にどんな影響を与えてくれるのか…そういった部分にも目を向けつつ、今週もじっくり本編を振り返っていきましょう。
①ツンデレツンな二乃のお話
まずは冒頭。
先日耳にした『一花の件』について、五月は姉妹に話していたようです。
プールでの一件を経て、五月の中では懸念が無くなったからこそ、このタイミングで打ち明けたのでしょうが…
二乃のこのなんとも言えない表情が、少し気にかかるところではありました。
シスターズウォー編にて激しい衝突をしながらも、同じ『好きなもの』を話せる相手として、無事仲直りを果たした一花。
そうでなくとも、大好きな姉妹の一人なのですから、思うところがあるのは当然なのですよね。
修学旅行が終わってからの約2ヶ月(?)間を、一花が一体何を思って、どのように過ごしてきたのか…それが、我々読者に分かり得ないのは当然ですが、誰よりも近くで彼女の姿を見てきた二乃でさえも、きっとその真意をはかりかねている…。
冒頭は、そんな歯痒さを禁じ得ない一幕となっていた印象です。
場面は変わり、病院前。
恋愛ガイドを片手に、二乃を待つ風太郎の姿がそこにはありました。
この時点で、プールでの二乃との話に出ていたように、店長のお見舞いに来ていたことが分かったわけですが、
「こういう本に頼らないと決めたんだ」
風太郎が口にしたその台詞は、なかなかに印象的でした。
彼がそうやって考えているのは、先週話における五月との会話があったからこそ。
『パートナー』、『必要』、零奈の一件や、『友達』…などなど、これまでも数多く描かれてきた、『五月の言葉が風太郎の“変化”に大きな影響を与える』という要素が、より明確に表れていたポイントであったように思えます。
やはり、先週のお話は、ただの水着回ではなかったわけですね(笑)
さて、そんな『変化』の真っ只中にいる風太郎が何やら“お花”を眺めていると、彼の前に、ようやく二乃が現れます。
明らかに、いつもとは違う様子で。
その冷たい態度は、まるで出会った当初のよう。
私に限った話ではなく、こうしたやり取りを懐かしく思った方々が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
個人的な思いを申しますと、久々の『ツン』成分を見ることができて、私としては非常に嬉しかったです。
(なお、サッチソさんは至ってノーマルな人種なので、勘違いはなさらないようお願い致します。…何の話かは察してください)
まあ、私の話はさておき。
若干戸惑いながらも、特にツッコミを入れることもなくツン二乃の様子を見守っていた風太郎ですが、いよいよ彼女の思惑に確信を持ちます。
ラブコメ作品において、たびたび描かれる『押してダメなら引いてみろ』作戦ですが、それが大成功を収める…なんてことがないのはお約束。
ただ、本作で描かれるそれは、『風太郎(=主人公)側が作戦を完全に認識している』という点が、従来の作品たちと比べて一風変わったところでした。
流石は、テンプレブレイカーのねぎ先生ですね。(笑)
ひと度作戦に気付いてしまえば話は早い。
風太郎の心にも余裕が生まれ、
『可愛い所もあるじゃねえか』
なんて思う彼なわけですが、
ここまで真に迫った様子を見せられて、いくら風太郎と言えども、心が揺らがない筈がありません。
(余談ですが、何故か私も傷付きました。とても。)
「俺は なんて思い上がりを!」
店長との会話を通じて、ますます自信喪失していく風太郎。
というか、店長が当然のように二乃の好意に関して認識しているところを見て、『二人は普段から職場で相当いちゃついているのではないか…?』なんて疑念がふつふつと湧いてきたりするのですが…。
それに関してはまあ、今回は置いておいて。
まずは店長の言う通り、二乃の『心の叫び』に耳を傾けてみましょう。
はい(笑)
何ですか。やっぱりデレデレじゃないですか。
心の声も、何とも乙女らしさ全開と言いますか…
『私に振り向かないフー君が悪いんだからね』
とか二乃に言われたい人生でした。今まで本当にありがとうございました←
ただ、もう少しだけ欲を言えば、やっぱりああいった台詞は、直接風太郎に言ってあげて欲しいですね。
誰が何と言おうと、やっぱり、二乃の一番の魅力は『真っ直ぐさ』にあるのだと思うので、今後もガンガン攻めていく姿に大きく期待したいところです!
さあ、まだまだお話は終わりません。
そんなこんなで一人反省会を開いている二乃のもとに、突如マルオが現れ、二人はいくつか言葉を交わします。
うーん…。何とも考えさせられるところのある会話ですよね。
二乃としては、やっぱりマルオにも居て欲しいと思っていて…。
一方のマルオもまた、娘たちを大切に思ってるのは明白で…それにもかかわらず、やはり父親として接することにどこか遠慮があるような印象を受けます。
やっぱり現段階では、彼の考えていることはイマイチ読めません。
なればこそ、今後間違いなく描かれるであろうマルオの胸中に触れるエピソードに向けて、そこに行き着くまでの過程も、一つ一つを大切に読んでいきたいところです。
五つ子ちゃんたちとマルオが、互いにが歩み寄っていくために必要な“鍵”となる存在…それは……
まあ、この男以外にはいませんよね。
いくら自分の生徒たちの母親とは言え、赤の他人のために花を用意していて、あまつさえ自分も行こうと考えていた…なんて、めちゃくちゃイケメンじゃないですか。
誰ですか、地味だの冴えないだの言ってた人は!
……あ、二n(殴
「フー君は いなくならないで」
さあ、そんなイケメン風太郎を前にして、二乃もようやく素に戻ってくれました。
こうした台詞は、『七つのさよなら』編でも見られた、二乃の『繊細さ』が表れたシーンであったように思います。
六年前、頼れる母親はどこか遠くへ旅立ち、それを大きなきっかけとして、初めは皆同じだった姉妹も少しずつ変わっていった。
そして、今まさに、一花が“本当の意味”で巣立とうとしている。
皆が変わっていくこと、いつか離れ離れになることは、もちろん受け入れるつもりではあるけれど、やはり二乃にとっては、拭いきれない寂しさがそこにはある。
だからこそ、そばにいて欲しい。
他の誰でもない、風太郎(=好きな人)に。
………。……………。
いや、普通に告白シーンやないかい!!
…なんて、リアルタイムで読んでいた時の私は、心の中で盛大にツッコミを入れることとなりました。
中野四葉を愛して94話(読み切り含む)である私にもなかなかの刺さるものがあったほど、非常に良いシーンでした!
まして、二乃推しの皆さんにとってはどれほどの衝撃だったのか、想像もつきません。
二乃推しの皆さん、ちゃんと生きてますか?
もし無事でしたら、安否確認のためにもコメントでもしていってください←
また、そんな本音を孕んだ二乃の言葉に対する風太郎の返答は、あまりに頓珍漢なものでした。
彼らしいと言えば彼らしいですが、そこまで「演技」を信じ込み、後ろ向きになってしまっていたのも、二乃からの好意を心の底から嬉しいと思っているからこそなのですよね。
「ビビらせやがって」
紆余曲折ありましたが、風太郎からその言葉を引き出した時点で、二乃の今回の作戦は大成功だったと言えるでしょう。
照れる風太郎も、喜ぶ二乃の姿も、読んでいてとても微笑ましいものがありました。
風四信者の私でも認める(何様)ほど、この二人もまたかなりの“お似合い”だと思うので、今後もぜひイチャコラしつつ、もっと信頼を深め合っていってくれたら良いなと、個人的には思います。
止まるんじゃねえぞ…。
②巣立ちへ向かう、一人の少女。
さて、①がいつにも増して長くなってしまいましたが…作中では場面は変わって、その翌日。
五つ子たちは、母の墓参りに来ていました。
するとそこには、誰が持ってきたのか分からない花が。
これに関して考えられるのは、マルオが密かに一人で訪れていたor江端さんなどに頼んで供えて貰った、といった可能性でしょうか。
その他としては、勇也や下田さんの可能性もゼロではないのかなとも考えているところでもあります。
巷で噂になっている、上中下トリオが元同級生かつ零奈さんの教え子(+αでマルオ元不良)説は、個人的にはアリかなと思っているため、その辺りの事情も含めて、今後の展開で説明されるのを待ちたいですね。
そして、墓参りもつつがなく終了し、その帰り際のこと。
二乃が、持ち前の直球勝負で訊ねました。
一花を除けば一番の姉である彼女ですから、もしかしたら、それを訊くのは自分の役目だと思ったのかもしれませんね。
まあ、肝心の一花は、知らないような反応を見せましたが。
この一件が五月の勘違いであったことを知り、安心する一同。
…しかし、彼女が知らないのはあくまで、『家を出ること』に関しての話。
「学校辞めるんだ」
切なげな表情で放たれた、『決意』の言葉。
果たして、一花の真意は……。
…そういったところで、今週のお話は幕を下ろしました。
なんとか本編の振り返りも終えたところで、そろそろ本稿の締めくくりに入っていこうと思います。
◎まとめ
はてさて、今週の感想を一言でまとめますと…
一花の話を聞いた風太郎がどんな反応をするのか、めちゃくちゃ気になるって話です!
ご存知の通り、元々『休学』も視野に入れていた一花が学校を辞めなかったのは、『未練(=風太郎への恋心)』ができてしまったから。
そんな彼女が今回下した決断が、『未練』を断つ…つまり、『風太郎を諦める』ためのものであったのだということは想像に難くありません。
ということはやはり、この時点で既に腹は決まっていたと見るべきなのでしょうね…。
それが確定的となった今、その切なさに関して私は、90話における四葉ちゃんの独白にも及ぶものを感じました。
当ブログでも幾度となく言及してきたように、このままでは何一つ『本当』を伝えられないまま一花の恋は“無かったこと”になってしまいます。
きっと風太郎が一花の『夢』を全力で応援するのは間違いありませんが、彼女が吐いた最後の『嘘』を暴いて、どうか自分を許させてあげて欲しいところです。
当然ながら、それは決して楽な道のりではないのでしょうが……風太郎はもちろんのこと、二乃を始めとした姉妹たちの活躍に大いに期待しつつ、まずは来週を楽しみに待ちましょう!
*おまけ
余談程度に、風太郎に関して、一つだけ気になった点について言及したいと思います。
いくら二乃の演技に騙されつつあったからとは言え、普段の風太郎の様子を見ていると、この台詞や「ビビった」という点には、少々違和感を覚えました。
この時の彼の胸中には、『二乃に嫌われたかもしれない』といった不安が渦巻いていただろうことは明白。
そんな時に告げた、「俺もいない方がいいだろ」という台詞──それはさながら、『二乃にとって俺は“不要”なんだ』と、そう思い込んでいるようではありませんか。
「ビビった」という点を鑑みるに、風太郎にとって、『嫌われること(=必要とされなくなること)』は、『怖いこと』ととなりつつあるのかもしれません。
自分が必要と“され”、そしてまた、自分が必要と“している”五つ子たちが相手ならば、特に。
小学生時代などを見ていて分かる通り、風太郎の本質的な部分における『自己肯定感』は決して高くなく、むしろ、“どこかの誰かに似て”、低いとも言えるでしょう。
そんな彼が獲得した一つの大きな『変化』…見方を変えれば『弱さ』とも取れるそれが、今後の展開にどう関わっていくのか、注目していきたいと思います。
【五等分の花嫁92話感想】夏だ!プールだ!水着回だ! 五月の『変化』にも要注目です!
(五等分の花嫁第92話:『秘密の痕』より)
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今週の『五等分の花嫁』、読了しました。
『秘密の痕』という、なんとなく不穏さ漂うタイトルから、若干ビクビクしながら読み進めていった私サッチソではありましたが…
五つ子ちゃんたちの水着姿を見て、そんなものは一瞬で拭い去られました(笑)
無論、全くもって不安要素のないお話だったのかといえば、決してそういうわけではありませんが、いずれにしても、今週は我々読者も長い間待ち望んでいた水着回!
五つ子ちゃんたちの可愛さはもちろんのこと、本日の主役たる五月にもしっかりと焦点を当てながら、早速今週話を振り返っていきましょう。
①五つ子と風太郎 inプール
まずは冒頭。
プールに到着した五つ子ちゃんたちですが…どうやらプールのモデルになっているのは、ナガシマスパーランドのジャンボ海水プールのようですね。
実は先週、感想記事を書いた後にひっそりと調べて予想はしていたのですが…遊園地に引き続きプールの方もめでたく聖地化したといったところで、一度訪れてみたくなりましたね。
さて、そんなプールでは、当然ながら入れ墨・タトゥーは禁止とのこと。
実際にすること自体は否定しつつも、それをロマンチックと捉える二乃の表情からは、やはり元来彼女の持つ乙女らしさが滲み出ており、非常に可愛らしく思いました。
一方で、先週に引き続き、表情を曇らせたままの五月。
胸中が決して穏やかでない状態で、彼女は風太郎と遭遇します。
このセリフが、他の姉妹ではなく、わざと自分に視線を集中させる意図があったことは想像に難くないわけですが…側から見れば、なんともまあ、誤解を招きそうなやり取りではありますよね…(笑)
最近の本編でのマスコットのような扱いから一転、色っぽさが強調されている部分でもあり、やはり彼女もヒロインの一人なんだなぁと、再確認させられたところでもありました。
また、個人的には、このコマでの風太郎のセリフも印象的でした。
「いいと思うぞ…」から、「いい」と言い直したのは、ずっと前に一花に女の子を褒めるように言われていたことや、本を読んだことが影響しているのか、はたまた、ただ単純に本心から滲み出たのか…気になるところではあります。
先週の感想でも言及しましたが、風太郎の心情も確実に『変化』している途中であるため、今後もしっかりと彼の『変化』を見届けていきたいですね。
さてさて、お話はまだまだ続きます。
水着作戦は無事失敗に終わり、それでも、『姉妹の秩序を守る』ためにと、密かに意気込む五月なわけですが、
不器用な彼女の行動は、あくまで空回りするのみ。
必死の抵抗(?)も虚しく、二人は一花と四葉ちゃんに見つけられます。
…しかし、
五月の焦燥とは裏腹に、一花と四葉ちゃんは、至っていつも通りの様子です。
ただ、ここで気になるのは、この組み合わせが、六年前に風太郎との接点を持っている二人組だという点ですね。
四葉ちゃんは、第90話にて明らかになった通り、自身の恋心を半ば諦めているわけですが…この場面で二人を並べたのは、一花もまたそうだという暗示なのでしょうか。
『家を出る』という点を鑑みても、その可能性は濃厚でありそうな印象です。
深読みだという自覚はありますが、二人の“想い”を想像すると、やはり胸が苦しくなってしまいますね…。
実際のところがどうなのか、我々読者にも分かりかねますが、そうやって巧妙に隠された一花たちの心情が、風太郎以上に鈍チンな五月に伝わっている筈もなく……彼女はと言うと、テヘヘと可愛らしく安堵の表情を浮かべます。
しかし、その一方で、一花と四葉ちゃんとは対照的に、自らの“想い”に従って進み続けるヒロインが二人。
ええ、二乃と三玖は本気なのですよね。
というか、三玖が思っていた以上に積極的になっていて、連載当初からの読者としては、本当に感慨深いものがありました。
波乱に満ちた修学旅行を経て、確かな『成長』を得た姉妹たちの中でも、三玖は間違いなくその筆頭。
今後の彼女のアプローチも非常に楽しみです!
②五月と風太郎
無事合流を果たした六人は、いざウォータースライダーへと繰り出します。
そこで流れていたのは、五月が想像していたよりもずっと穏やかな空気。
最初から何も心配することなんてなかったのではないかと、彼女がおおよそそんなことを考えていると…
そう! やはり、こうなってしまうのです!(笑)
ぐっちょっぱっ、ということで、今回の組み合わせはそれぞれ、『一花と三玖』、『四葉と二乃』、そして、『五月と風太郎』に決定。
①でも言及したように、三玖の『成長』が実感できるこの表情や、演出は本当に素晴らしかったです。
一方で、一花の表情がどこか切なげなのがなんともまた…。
四葉ちゃんについてもそうですが、一刻も早く、『本当』を伝えられる日が訪れて欲しいです。
さて、場面はいよいよ、今週話のトリとなる五月と風太郎のウォータースライダーへ。
五月を前にして、二乃と三玖に対する、「こんな自分を選ぶなんて…」という思いを零す風太郎ですが、
相変わらずの不器用ながらも、真剣に向き合おうとしているということが、五月にもしっかりと伝わります。
「あれこれ考えるより やってみてわかることもあると思いますよ」
まさに、『案ずるより産むが易し』理論。
普段はあれだけ真面目で慎重なのにもかかわらず、時折大胆な行動も取れてしまうのは、彼女の心の奥底に、この考えがあるからなのかもしれませんね。
そしてまた、どこか余裕のあるその表情からは、弁舌に尽くしがたい色気が伺えます。
(いや、水着を着ているからではなくて)
“零奈”として見せてくれた“本来の”五月と、こうした“色気”が合わさった時、彼女がヒロインとしてどれほどの爆発力を見せてくれるのか、今からとても楽しみです。
で、肝心のウォータースライダー。
かつて、ここまでドキドキする五月の姿が描かれたことがあったでしょうか。
これまでとは少し違った可愛らしさが垣間見えましたね。
…それにしても、二乃や三玖からの好意には戸惑い気味であるのに、こういったことには一切躊躇いを見せない風太郎が凄いと言いますか…怖いと言いますか…相手が、五月だからだったからなのでしょうか?
二乃や三玖、あるいは四葉ちゃんだったらどんな反応を見せてくれたのか、その一点が描かれなかったことが非常に悔やまれます。
いずれにしても、
「枕みてぇ」
だそう。
現場からは以上です。
③秘密の痕
さて、あっという間に時間が流れて、帰り道。
日焼け四葉ちゃんが愛おしいですね、ハイ。
ただ、欲を言えばもっと水着姿を見たかったところです。
…というか、風太郎はちゃんと四葉ちゃんの水着姿を褒めてあげたのでしょうか?
個人的には、それが唯一の気掛かりです。
また、日焼けをしたのは四葉ちゃんだけではありません。
と、それを確認していく中で、二乃があることに気が付きます。
(この“二乃が気付いた”という点が、なんというか、彼女の『カノジョ力』が上がってる証拠のように思えました)
唯一日焼けをせずに済んだ右手の一部。
その理由には、五月だけが気が付きます。
五月だけの知る、『秘密の痕』。
まさに、偶然のロマンティック。
恋愛感情の有無は一先ず置いておくにしても、風太郎には五月との確かな絆が刻まれることとなりました。
手を握ったのが五月からだったのか、風太郎からだったのか…まあ、十中八九、前者であるとは思うところではありますが、
出発時の状態を考えると、先の事象は、五月が風太郎に“覆い被さる”形で発生した可能性が高そうです。
なんとも羨ま…けしからんことでしょう。
風太郎の『ラブコメ主人公力』も、なんとなく上がっているような気がしますね(笑)
それを改めて確認できたところで、そろそろ本稿の締め括りに入っていきましょう。
◎まとめ
はてさて、今週もここまで本編を振り返ってきたわけですが、本日の感想を一言でまとめますと、
やはり、ねぎ先生は神だった。。。
これに尽きると思います。
ストーリー構成の素晴らしさはもちろんのこと、この『五等分の花嫁』が多くの読者を惹きつけて止まないのは、五つ子ちゃんたちの可愛らしさ…すなわち、ねぎ先生の神懸かり的な画力があってこそなのですよね。
ねぎ先生には、心の底から感謝したいところです。
…というか、リアルタイムで本作の展開を追っていける時代に生まれることができて本当に良かったです。
さて、今週話は、五月ちゃんがヒロインの一人として、いよいよ前に進み出す予感のするお話だったわけですが、私が注目するところは変わりませんでした。
「上杉さん、遊びに来てくださいよ」
(二人一組を知った時の表情…)
はい、四葉ちゃんです。
先週の感想でも言及したように、姉妹を応援すると決め、既に自らの想いとは『さよなら』をしている四葉ちゃんですが、所々で“風太郎君への想い”が滲み出ているように感じられます。
六年間、ずっと胸の内に抱えていたその想いが、いきなり無かったことになんてできる筈もありませんしね…。
なればこそ、早く四葉ちゃんに救いをもたらすエピソードの到来を強く望みます。
というか、来い。さもなくば私、死ぬ。
…とまあ、そんな冗談はさておき。
作中の時期が夏休み真っ只中──『零奈』さんの命日も近づいている──ということで、近いうちに『零奈』さん纏わるストーリー展開が成されることは予想されていますよね。
私個人としては、それが五月だけでなく、四葉ちゃんにも大きく影響を与えてくれるエピソードになってくれることを願うばかりです。
次回の展開も非常に気になるところではありますが、尊さ溢れる今週のお話を何度も噛み締めながら、またゆっくりと来週まで待ちましょう!
【五等分の花嫁91話感想】それぞれの夏休み! 会えない時間が愛を育てる!?
(五等分の花嫁91話:『偶然のない夏休み』より)
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さて、今週は皆さん待望の水着回でしたね!
武田と前田の!
はい(笑)
らいはが我々の気持ちを見事に代弁してくれたわけですが…今週は久々にゆったりとしたお話でした。
【シスターズウォー編】以降、思わず胸が熱くなるような…そしてまた、ひどく締め付けられるような展開が続いてきたため、風太郎たちにとっても、我々読者にとっても、ちょうど良い羽休めの回となってくれたように思います。
…しかし、
皆さん既にご存知の通り、“何の変哲も無い”日常回だったのかと言えば、全くもってそんなことはなかったわけで…。
そういったところも含めて、今日も今日とて、本編の方をゆっくりまったり振り返っていきましょう。
◎それぞれの夏休み
まずは冒頭。
一ページ、一コマ目から、何やら神妙な面持ちで何かをじっと見つめる五月と四葉ちゃんが描かれていましたが、
なんと、家の退去が迫られていたとのこと。
猶予期間は半年ほどあったようですが、受験のことを考えても、引っ越しはやはり夏休みのうちに引っ越しを済ませておくべき案件。
様々な思い出が詰まったこの家との別れが、いよいよ確定的になります。
…と、そんな折、
「私はもういなくなるので」
偶然五月が耳にした、一花の電話の内容。
先週の感想でも言及したように、やはり彼女は、女優業への専念のために少しずつ動き出しているのかもしれません。
そして、その先に待ち受けていると予想されるのは、“自立”や、“自主退学”といったものでしょう。
それが一花の望んだことであり、他でもない彼女の為になることならば、私としても心から応援したいところではありますが、彼女は未だ、『本当』を伝えられずにいます。
そうした現状は、とてもじゃありませんが、“良いこと”とは言えませんよね。
実際に一花が何を思っているかは分かりませんが、彼女の胸中が明かされるであろう、今後の展開に大いに期待したいところです。
場面は切り替わって上杉家。
家に引きこもって勉強を続ける中で、風太郎は“恋愛ガイド”なるものを読んでいたそうで…。
彼なりに二乃や三玖の想いと向き合う努力をしているのですね。
(あるいは、その想いは既に誰か一人に向けられつつある…?)
いずれにしても、生来彼の持つ真摯さを改めて実感されられて、少し安心したところでありました。
さて、そんな風太郎ですが、らいはに五つ子たちと会うように促されます。
しかし、肝心の風太郎はあまり乗り気ではありません。
それでも、少なくとも二乃とはバイトで会えるだろうとするらいはでしたが、
なんともタイミングの悪いことに、それも叶わなくなります。
(あれ…? ク◯パン屋の店長…?)
故に、らいはが取った行動と言えば、
その日、海を訪れる筈の五つ子たちと“偶然”出会うことを狙って、風太郎を海に連れ出すこと。
…まあ、“五つ子たちの都合”により、その“偶然”は起こり得なかったわけですが(笑)
さてさて、さらに場面は変わります。
風太郎とらいはが海を訪れている頃、五つ子たちの都合──新居が見つかるまでの繋ぎとして、彼女らは以前のマンションに戻ってきていました。
そんな中で、五月は修学旅行以降の皆の様子に違和感を覚えているようでした。
そして、それには、明らかに風太郎の存在が関わっていると。
これに関しては、実際にその通りであるため、あまり深く追求するつもりはありませんが、個人的に少し気になったのは、一花の風太郎への好意が『?』になっていることでした。
なにせ、五月は修学旅行前に、その辺りの事情を把握していた筈ですから。
この時から頑なに信じようとしていなかったのか…はたまた、修学旅行後の一花からは、全くそんな素振りが見受けられなかったからこその判断なのか…一先ずこの疑念の答えは、来週以降までお預けですね。
五月が風太郎とは会っていけないとする一方で、三玖たちの思いは募っていくばかり。
果たして風太郎は今頃何をしているのか…。
おいこr…(殴
無粋にもツッコミを入れてしまいましたが、風太郎もちゃんと楽しめていたようで良かったです。
今までは全てを勉強に捧げて、切り捨ててきたクラスや友人との関係。
そこに確かな“充実感”と“楽しさ”を覚え、しかし、そんな中でも“物足りなさ”を感じているという点が、なんとも感慨深いところでもありました。
「誰がそうしたのか聞くまでもないね」
6年前──四葉ちゃんと出会ったことから始まったら風太郎と五つ子たちの物語。
ぶつかり、すれ違い、互いに支え合う中で築いた“信頼”と“絆”。
いつからか、彼の日常において、中野家の五つ子たちは『必要』な存在となっていたのですよね。
いつものように“偶然”顔を合わせる…なんてことがなかった一日を通して、風太郎が改めてそれを実感する──。
今週のお話は、風太郎の心情の『変化』がより明確に表れた、とても良いお話でした。
今後とも、彼が二乃たちの想いや、自らの気持ちとどう向き合っていくのかについてしっかりと着目していきたいところです。
さて、そこまで振り返ったところで、いよいよ今週の総括に入りましょう。
◎まとめ
はてさて、今週の感想を一言でまとめますと…
次のプール回がクッソ楽しみって話ですよ…!!
夏ですよ!! プールですよ!! 水着ですよ!!
これまで数える程度しか描かれなかった五つ子ちゃんたちの水着姿…それが一体どんなものになるのか、非常に興味深いですね!
個人的な思いで申し訳ありませんが、四葉ちゃんには要注目でしょう!
見てくださいよ、誘われた時のこの嬉しそうな表情を!!
とっくに『さよなら』をして、姉妹の応援をすると決めてて、それでもやはり、風太郎のことが大大大大大好きなんですよね!!
果たして彼女は、どんな想いを抱えて、どんな水着に身を包んで彼の前に姿を現わすのか非常に気になりますが…たとえどうあったとしても、風太郎にはどうか褒めてあげて欲しいところですね!
風太郎、私の分まで頼んだぞ…!!
【五等分の花嫁90話感想】運命の『再会』と、もう一つの『さよなら』。言えない“想い”を胸に抱えて、中野四葉はどこへ進む…。
(五等分の花嫁90話:『私とある男子②』より)
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今週の『五等分の花嫁』、読了しました。
先週、先々週…否、第86話にて四葉ちゃんが『写真の子』であったという事実が発覚してからというものの、思わず胸が苦しくなってしまうような展開が織り成されてきた本編ですが、今週話は特に、そんな思いに駆り立てられるお話であった印象です。
正直に打ち明けますと、死ぬほど泣きました。
もっと言うと、こうして文字を打っている途中、堰を切ったように泣いてしまう時があります。
そんな状態でしっかりと文が紡ぐことができるのかと、大いに不安はあるところですが、きっとそんな“今”しか綴れない言葉があるのだと思うところでもあります。
いつも以上にお見苦しい文章になってしまいそうですが、どうか最後までお付き合いください。
①運命の『再会』
と、言うわけで本編の方を振り返っていこうと思うのですが…
『再会』したあの瞬間から、四葉ちゃんは、目の前にいる彼が“風太郎君”だと気付いていたのですね。
中学時代時代のモノローグを見ていても覚えている様子であったため、これには素直に納得です。
かつて『約束』を交わした少年との再会を、心から喜ぶ四葉ちゃん。
けれど…
「恥ずかしくて言えないよ…」
四葉ちゃんからしてみれば、自分は『約束』を破った、言わば裏切り者。
先の高校での失敗の経験もあり、自己肯定感が極端に薄くなっていた四葉ちゃんが、本当のことを明かせるはずもありません。
“風太郎君”から、“上杉さん”へと、呼び方の変化にあった四葉ちゃんの心情…分かっていたつもりでしたが、いざこうして描写を目の当たりにすると、やはり胸を締め付けられます…。
「私は知ってるよ 君のこと。 ずっと前から」
たとえ風太郎君が忘れていても、私だけは覚えているから良いんだと。
苦手な勉強も、風太郎君と一緒ならきっと頑張れると。
きっとそうした思いを胸に秘めながら、二人で過ごした放課後。
四葉ちゃんの中には、そんな淡い希望が芽生えていました。
それなのに…
気付いてしまった、三玖の“想い”。
そして、それは三玖だけでなく…
姉妹たちが、次々と風太郎君のことを好きになっていく様子を見ていて、四葉ちゃんは一体どんな気持ちだったのでしょう。
もちろん、これが嘘であったわけではないでしょうが、内心で複雑な気持ちがあったのは明白です。
私だけが知っていた風太郎君を、みんながどんどん知っていく。
そこには確かな喜びがあって…でも、やっぱり寂しい気持ちは大きかった筈。
彼女の胸中を渦巻いていた想い──それは、言うまでもなく……。
②もう一つの『さよなら』
四葉ちゃん視点での作中の振り返りはまだまだ続きます。
次の場面は、林間学校後の病院。
五月を探していた四葉ちゃんは、偶然にも“それ”を耳にしてしまいます。
この時の四葉ちゃんの喜びは、当然ながら、我々には計り知れないものだったでしょう。
会えずにいた五年間と、再会してからの日々の中で、募り積もった一つの“想い”は、いよいよもって、その全てが溢れ出してもおかしくはないところまで来ていました。
しかし…
「私だけ特別なんて良くないよ」
先の失敗を経て誓った、『みんなのため』という思いは、それまで以上に大きな“枷”として四葉ちゃんを縛り付けてしまいました。
そして、だからこそ、
彼女の中には、『さよなら』しなければならないという思いが芽生え始めます。
そこから先は、まさしくあっという間でしたね。
風太郎と“零奈”の『さよなら』の裏側にあった、もう一つの『さよなら』。
これに関しては全くの予想通りで、何一つ驚くようなことはありませんでした。
が、こうして直接の描写が加わったことで、その切なさは何千倍にも増したように思います。
無邪気な笑顔の裏側に、『みんなの幸せ』という理想への妄信的な憧憬と、果てしない『自己犠牲』を孕んで、四葉ちゃんはきっと、自らの想いと幾度と無く『さよなら』をしてきたに違いありません。
そんな彼女を解き放つ方法があるとすれば、それはきっと……。
③中野四葉の“想い”
長い振り返りは終わりを迎え、舞台はいよいよ現在へと戻ってきました。
修学旅行からさらに月日が流れ、時期はすっかり夏休み前。
期末試験も既に終了していたらしく、五つ子ちゃんたちの様子を見ていても、赤点を取るなんてこともなかったようですね。
いち読者としても喜ばしい限りです。
そんな中、三玖の進路についての話が出ましたね。
全国模試後、『あいつらの夢を見つけてやりたい』と口にしていた風太郎ですが、他ならぬ彼自身が、三玖の『夢』を見つける大きなきっかけになったという事実には、読んでいて非常に感慨深いものがありました。
自らの『夢』に向かって歩みを進める三玖や一花の姿を、これからもしっかりと見守っていきたいところです。
一方で、そんな三玖たちと対照的に、未だ根本的なところでの停滞を強いられている少女が二人。
本当のことを伝えるべきだとする五月。
あくまで打ち明けるつもりのない四葉。
話は平行線をたどるのみです。
こうしたやり取りをするのも、恐らくは一度や二度ではなかった筈でしょう。
しかし、
「もう言わないで」
五月は、いよいよ決定的な一言を放たれてしまいました。
四葉がどれほどの覚悟で応援しているのかを知っているからこそ、もしかすると、五月にはもう、これ以上踏み込むことは出来ないのかもしれません。
そうしたところで、場面はさらに移り変わります。
いつぞやの『デート』の最後…否、“最後のデート”で訪れた公園には、一人ブランコを漕ぐ四葉ちゃんの姿。
軋むチェーンは、きっと彼女を縛る“枷”を暗示しているのでしょう。
「上杉さん」
「風太郎君」
「好きだったよ ずっと」
6年前、京都を駆け巡る中で芽生えた“想い”。
高校での再会を経て、一緒に過ごす日々の中で、膨らみ続けた“想い”。
伝えたくて、伝えることが許されなくて、隠した“想い”。
辛く悲しい…けれど、確かな幸せを感じていられた、中野四葉の『初恋』は、その日、一つの終わりを迎えた──。
非常に切ないラストでしたが、第90話たる今週のお話はそうしたところで幕を下ろしました。
…本編の振り返りも終えたところで、いよいよ本稿の締めくくりに入っていきたいと思います。
◎まとめ
さて、本日も長々と文字を打ってきたわけですが、今週の感想を総括しますと…
四葉ちゃんが花嫁じゃなかったら納得できないかもしれない……!!
なんて思いを抱かずにいられないお話でした。
ここ数週間のお話を読んでいく傍らで、これまでの作中の四葉ちゃんの言動などを何度も振り返ったのは、果たして私だけでしょうか?
この『五等分の花嫁』という物語が始まった時点で、既に五年間も“風太郎君”を想い続けていた四葉ちゃん。
本人は頑なに認めようとはしませんが、彼女もまた、間違いなく、報われるべき女の子なのですよね。
我々読者としても、彼女のこの言葉が『嘘』ではなかったということが知れたのは、確かな僥倖であったように思えます。
あとは、一刻も早く彼女が『本当』を伝えられる日が来ることを祈るのみ。
…と言いたいところですが、『本当』を伝えるべきヒロインは、もう一人だけいますね。
これまでの記事でも述べてきましたが、五月がこれ以上踏み込めない可能性がある以上、風太郎が『真実』を知る上で大きな役割を果たすのは、やはり一花のような気がします。
今週話にて姿が見られなかったのは、女優業が忙しくなりつつある証拠でしょうか?
そうなると、きっとそう遠くないうちに、再び一花にスポットが当たる、『休学or自主退学騒動』のような展開があるかもしれません。
実際にそうした展開になるのかは定かではありませんが、一花にも、はっきりと自分の想いを伝えられる日が来ることを願うばかりです。
(あの心からの笑顔を、もう一度…!!)
そして、そんな一花や四葉のためにも、風太郎には本当に頑張って欲しいところですね。
彼に何一つ力を貸すことができないことは、非常にもどかしく感じられるところではありますが…
五つ子ちゃん…特に四葉ちゃんの『幸せ』と、風太郎自身が後悔のない『好き』を見つけられる日が来るように、今後も当ブログでは、彼らを全力で応援させていただきます!!
【五等分の花嫁89話感想】変わりゆく『姉妹』。変わらない『絆』。『運命』に導かれ、少女は再び“彼”と出逢う。
(五等分の花嫁第89話:私と姉妹②より)
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さて、今週もいよいよ『五等分の花嫁』について語る時がやってきました。
先週、先々週に引き続き、今週のお話でも四葉ちゃん視点での五つ子ちゃんたちの過去が描かれたわけですが…
今週話は、まさしく中野四葉の“今”を大きく形作ったお話だったような印象を受けます。
それと同時に、どんな時だって色褪せることのない姉妹たちの『絆』を、またもや再確認させられたところでもありました。
以前の記事でも語ったように、【シスターズウォー編】を経て、我々読者にとっても、『五等分』の考えは重みが増したように感じます。
本稿では、そういった点を踏まえつつ、風太郎との別れや、尊敬する母との死別を経て、四葉ちゃんが一体どんな『変化』を迎えていったのかに焦点を当てながら、本編を振り返っていこうと思います。
①変わりゆく『姉妹』
さて、作中冒頭では、五つ子ちゃんたちの小さな『変化』の様子が描かれました。
一花に引き続き、三玖や二乃も髪を切るような発言をしており、より明確な『個性』の表れがこの時期からであったことが窺えます。
そして、そんな中でも、最も『変化』に溢れていたのは、間違いなく四葉ちゃんだったのでしょう。
皆の『お手本』になるべく…風太郎との『約束』を果たすべく、自分なりに努力を重ねていく四葉ちゃん。
しかし、父の反応はあくまで淡々としたもの。
自らの進んでいく道に対して、どこか不安そうな表情を覗かせながらも、彼女は亡き母や、かつての少年に思いを馳せて、なおも努力を続けます。
…が、突如として“その時”は訪れました。
努力の甲斐あって、確実に点数を伸ばしていった四葉ちゃんですが、あらゆる要素が噛み合って、三玖の方が良い結果を出してしまいました。
無論、本来とても姉妹思いの彼女ですから、当然ながら喜ばしい気持ちはあったのでしょう。
…しかし、四葉ちゃんからしてみれば、自身のこれまでの努力をあっさりと否定されてしまうような、そんな出来事でもありました。
本音の部分では彼女が何を感じていたのかは分かりませんが、それを機に、彼女の中では確かな“揺らぎ”が始まります。
必死の努力も虚しく、四葉ちゃんはとうとう『お手本』にはなれませんでした。
(描写から読み取るに、五月の成績も四葉ちゃんを上回るものとなったのだと思われます)
勉強では一番になることはできなくて…
母の言葉の真意も分からないままで…
恐らくは相当悩んだ結果、『誰かに必要とされる』ための、“他の方法”を見出すことにしたのでしょう。
高校生となり、姉妹が各々変わっていく中、四葉ちゃんは部活に精を出し始めます。
『誰かに必要とされる』ための、『自分が特別である』ためのアプローチとしては、なるほど確かに正解の一つではあったのでしょう。
…しかし、そこには確かな“間違い”がありました。
(『五人一緒』を拒む四葉ちゃん。)
先週の感想記事でも触れましたが、このことは、母の遺した言葉の意味を、五人が『同一であること』と捉えてしまっていたことが大きな原因だとして考えられます。
三玖にとってしまったこの態度も、母の教えに対する精一杯の反抗であると同時に、もはや“意地”と呼ぶべきものだったのかもしれません。
いずれにしても、当時まさしく輝いていた四葉ちゃんからのその言葉は、三玖が姉妹に対する劣等感を抱く遠因を作ってしまいました。
意識的か否かは分かりませんが、【シスターズウォー編】で頑なに三玖を応援し続けていたのも、きっと彼女への贖罪の気持ちの表れだったのでしょう。
『変化』の先にあったのは、四葉ちゃんの精神的な孤立。
そして……
②変わらない『絆』と、『運命』
決定的な間違いを抱えたまま、起こってしまった一つの“事件”。
必然といえば必然で、誰がどう考えても自業自得です。
そこに関しては同情の余地はありませんし、するつもりもありません。
しかし、これまで信じて積み上げてきたもの──言わば『心の支え』を、一瞬にして失ってしまった彼女の絶望は、我々の想像を絶するものであったことだけは言うまでもありません。
父から与えられた救済余地も、当時の彼女には何の救いにもなり得ません。
必死な努力は報われず、『心の支え』も完全になくなってしまった。
「私 なんで一人なの?」
「一人になったら私はどうしたらいいの?」
「どうしたら特別になれる?」
「どこに進んでいいのかわからないよ…」
心を果てしない“黒”に覆い尽くされた彼女が、何もかもを見失いかけた──まさに、そんな時でした。
姉妹たちからの、『救い』の言葉。
それぞれが…四葉ちゃんが、どんなに変わってしまっても、五つ子の『絆』だけは絶対に変わることはないのだという、ただひたすらに真っ直ぐな思い。
特に、四葉ちゃんにとっては、他ならぬ三玖の口からそれを伝えられたことが、一番の『救い』だったのだと思います。
彼女にとって三玖がほんの少しだけ特別になったのは、やはりこういった経緯があったのこそだったのですね。
そして、そんな『救い』の根本にあったのは、やはり亡き母の教えでした。
喜びも、悲しみも、怒りも、慈しみも…どんなことだって五等分して、乗り越える。
随分と遠回りをすることとなってしまいましたが、母の遺した言葉の意味が、ようやく四葉ちゃんにも伝わりました。
しかし…
同時にそれは、四葉ちゃんにとって大きな『枷』となってしまいます。
“間違い”を乗り越えた先に生まれてしまった、新たな“間違い”。
姉妹たちはそんな彼女の胸中など知る由もなく、且つまた、きっと本人にもその自覚はないままで…作中での時間は、さらに流れていきます。
そして──
『運命』に導かれて、二人が再会を果たす──ちょうどその場面で、今週のお話は幕を下ろしました。
四葉ちゃんの視点で描かれる再会のシーン…果たしてその時の彼女の心の内は……。
とまあ、そういったところで、そろそろ本稿の締めくくりに入っていこうと思います。
◎まとめ
さて、今週も大雑把に本編の方を振り返ってきました。
簡単に今週話の感想を総括をすると、
風太郎との再会に、四葉ちゃんが何を思っていたのかがめちゃくちゃ気になるって話ですよ…!!
中学時代の様子を見ていても分かる通り、彼女が高校に上がってからも、風太郎の名前を覚えていたのは間違いありません。
なればこそ、顔を合わせたあの瞬間から、四葉ちゃんは全てに気付いていた筈なのですよね。
また、その一方で、本当は気付いていながらも、わざと気付かないフリをしていた(別人だと思うように自分に言い聞かせていた)可能性もゼロではないのかなと、個人的には感じています。
そうすると、
0点のテストを嬉々として見せたり、
かつての少年を前に軽々と『デート』と口に出来てしまえるなどの行動にも、腑に落ちる点があります。
そしてまた、やはり本当は気付いていたからこそ、
と、溢れてしまった想いがあるのかな…なんて、思っているところです。
いずれにしても、四葉ちゃん視点での過去編のお話はそろそろ幕を下ろしそうな印象があります。
来週のサブタイトルは、【私とある男子②】といったところでしょうか。
風太郎との再会、そしてまた、『零奈』関連の出来事について描かれるのではないかと個人的には予想しているわけですが…
たとえどんな展開が待ち受けていたとしても、これから先も四葉ちゃんを応援し続けるという私の意志は変わりません。
むしろ、ここ最近の展開を見ていて、そんな思いがますます強くなっているのが分かります。
毎度繰り返しになるようですが、風太郎を信じ、四葉ちゃんの幸せを心の底から願いながら、まずは来週を楽しみに待ちたいと思います!
風太郎は『真実』に気付きつつある!? 色々と妄想を働かせてみました。
(五等分の花嫁第86話:『シスターズウォー エキシビションマッチ』より)
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さて、第86話にて、『写真の子』が四葉ちゃんであったという事実が発覚してから、既に二週間以上が経過しました。
現在の本編では、五つ子ちゃんたちの過去や、四葉ちゃんの胸中に触れるストーリーが展開されており、何かと予想を立てていきたいところなのですが…今回は、少し視点を変えて、風太郎が『零奈』に関して何を考えているのかを、“妄想”(\_(・ω・`)ココ重要!)していこうと思っております。
それというもの、ここ暫くのストーリーを読んでいると、風太郎が『真実』に気付きつつあるような印象を受けるからです。
とても聡明で、そしてまた、決して“鈍感”であるわけではない風太郎が、『真実』について何一つ勘づいていないとは、やはり考え辛いところがあるのですよね。
だからこそ、本稿では、彼の視点で『零奈』関連の出来事について振り返りつつ、『どこまで気付いているのか?』という点に関して、色々と妄想を働かせていきたいと思います。
①まずは時系列的に振り返る。
ご存知の通り、『零奈』の初登場は、第41話終盤。
五つ子ちゃんたちを繋ぎ止めることに挫折を覚え、『あいつらに俺は不要だ』と落ち込んでいる風太郎の前に、彼女は、『写真の子』として現れました。
実際に彼女が何を思って会いに来たのかははっきりとしていませんが、その目的の一つに、『風太郎を元気付ける』というものがあったのは明白です。
(これに関しては、後々に風太郎も気付いた筈です)
しかし、当時の風太郎には彼女の言葉を素直に受け止めることが出来ませんでした。
風太郎のそんな様子から、『写真の子』という存在が彼を『縛っている』と考えたからこそ、『零奈』は、彼に『さよなら』を告げたわけですよね。
(それが当初からの目的だったのかはさておき)
風太郎からしてみれば、目的も見えないまま理不尽に別れを告げられて、本当に混乱する出来事だったことでしょう。
しかし、彼女との邂逅、そして『さよなら』は、結果として彼の成長に大きく繋がります。
五つ子たちとの絆を深め、学年末試験でも彼女たちを赤点から脱却させるなどの成果を上げて、そしてまた、二乃からも告白を受けた彼。
そんな折、
三玖からの好意にも気付くきっかけともなった旅行先にて、風太郎は、『零奈』が五つ子の中の誰かであることに気付きました。
その後、キスなどの一件もあり、風太郎視点では、『零奈』に触れることはない状態で物語は進むわけですが…
第79話にて、『零奈』は再び彼の前に姿を現します。
まあ、風太郎は見事に一蹴してしまったわけですが。笑
結局、風太郎からもそれ以上追求することはなく、二度目の邂逅はそこで終わり、次に会ったのは修学旅行後。
(どうやって会う約束を取り付けたのかは未だ大きな謎ですが…)
誕生日プレゼントのお返しのアルバムを渡し、ずっと伝えられずにいた感謝の気持ちを告げて、そして、やっぱりそれ以上の追求をしようとはせず、風太郎は『零奈』と別れた…
とまあ、こんな感じでしょうか。
雑にストーリーを振り返ってみたところで、いよいよサッチソさんの妄想を爆発させていこうと思います。
②“状況を考える”風太郎
さて、②の本題に入る前に、皆さんに思い出していただきたいシーンがあります。
それがこちら。
三玖に扮した一花を見破るシーンですが、この場面における風太郎のセリフに着目してください。
「これまでの状況を考えたらな お前の可能性が一番高い」
そう、風太郎は、ちゃんと“状況を考え”た上で、偽三玖の正体を見破っているのですよね。
ならば、『零奈』の正体に関しても、“状況を考え”て、ある程度の目星をつけていた筈なのです。
それを確認していただけたところで、いよいよ②の本題…もとい、私の妄想を語っていきたいと思います。
上記したように、旅行時点で『零奈』が五つ子の中の誰かであることに気付いた風太郎ですが、
「五年前のことは五月にしか話してないはずなのに…」
と、一体いつ頃からは分かりませんが、こんな疑念を抱き始めていてもおかしくないと思うのですよね。
もちろん、姉妹間で風太郎の話が既に共有されていたのならまた話は変わってくるのですが、
風太郎が五月ちゃんに五年前のことを話した翌日…35話時点ではまだ共有されていなかったのが分かります。
何より、それが風太郎にとってもあまり人に話したくない大切な思い出であることを五月ちゃんも分かっている筈ですし、彼女はそんな話を不用意に他の人物に話すような子じゃない。
それが分かっているからこそ、風太郎の頭の中には一つの考えが過ったのではないでしょうか。
「『零奈』は五月なのではないか?」
とね。
彼女がお守りを持ち歩いていたことを風太郎は知っていますし、タイミング的にも、彼女の可能性が一番高いと考える筈。
しかし、だからと言って、
「『写真の子』は五月だったのか?」
と、そのまま考えたのかと言えば、そうも単純にはいかないのだと思われます。
何故なら、彼女は五年前のことを明らかに覚えていなかったから。
普段から熱心に勉強に励んでいる五月の姿を見てきた風太郎ですから、彼女が『写真の子』ならば、『五倍頑張る』と宣言した日のことを忘れたというのはやや不自然に思う筈です。
そして、何よりも大きな疑問となったのが、正体を隠していた理由でしょう。
誰がどう考えても、やっていることが回りくどすぎます。
だって、『零奈』となるには、“誰か”の協力が必要不可欠なのですから。
知っての通り、『七つのさよなら』編では、風太郎と五月ちゃんは一つ屋根の上で生活している状態です。
上杉家に服の隠し場所がないことは風太郎本人が誰よりも分かっている筈ですし、当時の彼女は財布も持っておらず、購入するという手段は使えません。
よって、五月が『零奈』となるためには、必ず“誰か”の協力が必要となるのです。
それも、変装用の服を手に入れようとする五月の行動に対して、なんの疑問も抱かないような人物の協力が。
風太郎はさぞ混乱したことでしょう。
“状況を考え”て、『零奈』として最も腑に落ちるのは五月なのにもかかわらず、彼女が『写真の子』とすると、不自然さしか残らないのですから。
優秀な彼のことですから、あらゆる可能性を考えた筈です。
そして、一つの可能性を考えるに至った。
それが、『零奈=五月≠写真の子』であり、『零奈』との邂逅に、本当の『写真の子』の意思が関わっている可能性。
やはり風太郎としても、あの時の『零奈』は五月以外には考えられないと思うのですよね。
そして、そもそも彼女ならば、“成りすます”ような真似をする前に、まず『写真の子』本人に頼んでいる筈。
では何故、五月が変装をする必要があったのか?
可能性としては、恐らくは以下の通り。
・家出中の彼女では『写真の子』と接触ができなかったから。
・実際に頼んだが、『写真の子』本人が何らかの理由でそれが出来ない状況下にあったor会うことを拒み、その役を五月に任せたから。
先に言及した“協力者”の存在から、風太郎は間違いなく後者の可能性が高いと考えるでしょう。
そうした時、次に考えるのは、当時の『写真の子』が置かれていた状況下や、会うことを拒んだ理由についての筈です。
・単純に、会う暇もないほど忙しかった
・まだ会えなかった。(『約束』を破ったとして、合わせる顔がないと考えていたor正体をバラしたくなかった)
風太郎は特に、後者の側面を強く感じたかもしれません。
事実、風太郎も、『零奈』との邂逅時に、同じことを言っています。
それまで頑なに『写真の子』は五つ子の中の誰かではないと思うようにしていたのも、
ここで反応がなかったから、というよりむしろ、風太郎としては『まだ会えない』という思いが強かったからなのかもしれません。
風太郎自身、自分が彼女に立場であったら、『赤点候補』たる現状を知られたいとは思わないでしょうしね。
ともあれ、『零奈』が五つ子の誰かであると知った風太郎は、上記のような思索を経て、
『零奈=五月≠写真の子(本人に本当のことを明かすつもりはない)』
と考え始めていたのではないか、というのが私の妄想であります。
それを踏まえた上で、以下では本編で気になっていた点を解消していきたいと思います。
(はい、自己満足タイム突入)
③もう一度、本編各場面を振り返る。
このお話を読んだ当初から、らいはのこの言葉に対して特にリアクションを見せなかったのは、『零奈』が『写真の子』ではないと分かっていたからなのではないかと個人的には感じていました。
風太郎が本稿で語ってきたようなことを考えていたならば、案外悪くない説ではないかと思います。
また、この時の“状況を考え”て、風太郎の中で『零奈=五月』がほとんど確信に変わっていてもおかしくありません。
(五月自身、恐らくは気付いてもらうために姿を現したわけでしょうし)
しかし、風太郎視点では、『零奈』と『写真の子』が別人であり、協力関係にあった可能性が高い以上、目の前にいる『零奈』がボートの時の『零奈』ではなく、『写真の子』本人である可能性があり、この時点ではまだ結論を出せずにいたのかもしれません。
何より、キスや一花の一件で、『変装』によって振り回されていた当時の風太郎には、確かな憤りがあったのでしょう。
だからこそ、風太郎は、自分の口から正体を明かして欲しかった。
この言葉は、目の前にいる『零奈』だけに向けたものではなかったのかもしれませんね。
そして、次はこの場面。
②で語った通りなら、風太郎は『写真の子』本人に本当のことを明かす意思はないのだとして考えています。
にもかかわらず、このタイミングでそれを明かすのはどう考えても不自然です。
何より、『零奈』と『写真の子』は繋がっている筈ですから、『お守りのことを覚えているか』という問いかけに対する一花のリアクションには少々違和感があります。
これまで『嘘』を吐かれてきたことに憤りを隠せなかったこともあり、この時の風太郎は、彼女の言葉を「信じられない」としたのではないでしょうか。
一方で、少し冷静に考えたら、確かに6年前のことを知っている様子であったなど、一花が『写真の子』である可能性は捨てきれなかった。
だからこそ、彼女が『写真の子』であり、正体を明かそうとしたのにも何か事情があったのかもしれないとして、ちゃんと話をするために、風太郎はコース選択で一花と同じになれるように考えていたのではないでしょうか。
尤も、一花のこの言葉により、さらに混乱してしまっていそうなものですが…笑
そして、修学旅行後に会った『零奈』。
やっぱりどうやって会う約束をしたのかは分かりませんが、彼女が『写真の子』本人なのか、五月ちゃんなのか、風太郎にはまだ分からなかった筈です。
しかし、今となっては、そんなことはもうどうだって良かったのでしょう。
『写真の子』本人が、自分の姿でまだ会えないというのならば、いくらでも待ってやろうと。
彼女が自分を認められないというのならば、彼女がそう在れるよう手助けをしていこうと。
風太郎には、そんな気概が芽生えつつあったのかもしれません。
それ故に、あれ以上の追求をしようとはしなかった(その気になれば、一花の時のように、無理やり変装を解くことも可能だった)のではないか…というのが、私の妄想です。
…とまあ、いい加減に妄想ネタが尽きてきたところで、そろそろ本稿の締めくくりに入っていこうと思います。
◎まとめ(?)
さて、今回も長々と語ってきたわけですが…
まあ、あまり当てにしない方がいいのは自明ですね。
何度も言っているように、本稿に書かれていることは全て、考察でも何でもない、私の妄想です。
ただ、やはり我々読者がたくさんのことを考えているように、風太郎だって、何かと“状況を考え”て、自分なりの見解を持っていてもおかしくはないと思うのですよね。
個人的には…というか、この記事を読んでいる殆どの方にとっても同様でしょうが、風太郎が、『写真の子』の正体が四葉ちゃんである可能性を感じていて欲しいところです。
このように、ばちこり重ねてしまっているわけですし、
『零奈』の最有力候補たる五月が、あの時接触していることも知っていますしね…。
ただ、『写真の子』・四葉ちゃんには、本当のことを明かす意思はないのも知っての通りです。
風太郎に追求の意思がなさそうである以上、このままでは彼が『真実』を知ることもなく物語が完結してしまいます。
当然ながら、それでは四葉ちゃんは絶対的に救われないままで……だからこそ、風太郎が『真実』を知る時が必ず訪れる筈。
そして、その上で大きな役割を果たすのは、やはりこの人物でしょう。
五月を除いては、たった一人『真実』を知る一花こそが、風太郎がそれを知るために重要な役割を果たしてくれると思います。
よくよく考えなくとも、既に伏線はありました。
ここから考えられるのは、やはり女優業に専念するための休学・中退といったところでしょうか。
風太郎へと放った最後の『嘘』も、彼への想いとの決別の意思の表れだったのかもしれません。
だからこそ、今後彼女にもう一度スポットが当たり、自分の気持ちを含めて、『本当』を伝えられる展開が来ることは大いに考えられます。
その時、6年前の『真実』について触れない筈はありませんよね。
いずれにしても、風太郎が『真実』を知るまでの過程の中で、少しでも、四葉ちゃんの心に救いをもたらすような出来事があることを、私としてはただひたすらに願うばかりです。
風太郎、一刻も早くあの日の笑顔を取り戻させてあげてくれ……!!
【五等分の花嫁88話感想】刻まれた『思い出』と、遺された『枷』。 少しずつ、物語は“今”に近づいていく。
(【五等分の花嫁88話:私とある男子①】より)
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五等分の花嫁88話、読了しました。
現在の本編では、『写真の子』・四葉ちゃん、延いては五つ子ちゃんたちの“過去”に触れる展開がなされているわけですが、彼女たちの“今”を見ていても分かる通り、この『過去編』にはたくさんの辛い展開が待ち受けているということは予見されていました。
そして、今回は、その第一のポイントとなる話であったと思われます。
本編を読んだ時、皆さんはどう思ったことでしょうか?
私はと言うと、あまりの辛さと、その衝撃に、その後しばらくはろくに物も考えられなくなっていました。
正直なところ、今こうやって文字を打っているだけでもいっぱいいっぱいです。
しかし、この後も続いていくであろう辛い展開のことを考えると、やはり立ち止まってなどいられません。
この辛い展開を乗り越えた先には、必ず幸せな未来はある筈です!
それをこの目で見届けるためにも、しっかりと気を引き締めつつ、まずは今週のお話を振り返っていこうと思います。
①刻まれた『思い出』
さて、本編冒頭では、四葉ちゃんと風太郎の、“初めて”のデートシーンが描かれました。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、作中では気が付けば夜。
そんな折、四葉ちゃんらしいミスで、彼女はこのままでは帰ることもできない状況に立たされてしまいます。
そんな彼女を見て、
風太郎も風太郎で、あまりに彼らしいやり方で、自ら四葉ちゃんと同じ状況に立ちます。
彼女を一人で置いていくことが気掛かりだったのはもちろんそうでしょうが、彼の心の奥底には、もう少しだけ彼女と一緒に居たいという気持ちがあったのかもしれませんね。
ちなみに、この時には叶わなった『一緒にバスに乗る』ということが、6年の月日が経って実現していたという事実が、個人的には強く印象に残りました。
さて、『思い出』の話はまだまだ続きます。
「そしたら きっと私がいることに意味ができると思うんだ」
風太郎と言葉を交わす中で、『五倍頑張る』の真意が明かされました。
この様子から、風太郎に姉妹のことを明かさなかった理由も垣間見えた気がします。
彼女は、『自分』が欲しかった。
同時に、自分が変わることができれば、それがきっと『母のため』になると、彼女は心の底から信じていたのでしょう。
そして、その『家族のため』という真っ直ぐな思いは、風太郎にも影響を与えます。
交わした『約束』。
そして、一つの『お願い』。
この時彼らが何を願っていたのか、私たちには分かりません。
ただ、その後の二人を真に運命付けたのが、この瞬間だったということだけは言うまでもありませんね。
この時の四葉ちゃんが風太郎に抱いた想い、果たしてそれは……。
②遺された『枷』
二人が話しているところに、一人の人物が現れます。
そしてその人物とは、皆さんご存知の通り、マルオでした。
零奈さんからの相談があったとはいえ、わざわざ京都にまで駆けつけるなんて…並みの行動力ではありません。
やはり、この時点で既に、五つ子ちゃんたちのことを任されていたと考えるのが自然でしょうか。
後々の展開も考えると、やはり切ない気持ちにならざるを得ません。
また、切ないといえば、もうワンシーン。
一花を『写真の子』と思い込み、楽しそうに接する風太郎の姿を、四葉ちゃんは二乃と共に見てしまいます。
二乃に関しては、以前のセリフがここで完璧に回収されたわけですが…
ともあれ、この出来事は、
四葉ちゃんにとって、『自分』を見出すためのもう一つの大きなきっかけともなります。
風太郎との“約束”通り、勉強を頑張って、結果も出した。
ほんの少し見た目も変えて、
「これが私、中野四葉なんだ!」
と、自信を持てるようになった。
それなのに…
母は、そんな彼女の『変化』を、決して肯定はしてくれませんでした。
その理由は、零奈さんの言葉からもしっかり明かされています。
「あなたたちは一人一人特別です」
そう、わざわざ変わろうとすることなんてなくても、彼女たちは『特別』なのです。
一花はガキ大将で、五月は他の姉妹の誰よりも母が大好きで、四葉ちゃんも運動が得意になりつつあって…本人たちに自覚が無かっただけであって、そこには確かな『個性』が存在していました。
もちろん、変わること、変わろうとすること自体は、やはり間違いではないのでしょう。
けれど、四葉ちゃんが望む通りに変われた未来が訪れたとして、果たしてそこでは、『五等分』は成立するのでしょうか?
「私はみんなのお手本だから」
そう言って、四葉が何もかもを一人で抱え込んでしまうような、そんな未来があったのではないでしょうか?
零奈さんはそれに気付いていて…そして、だからこそ、“自分が居なくなった後”でさえも、どんなことも五人全員で力を合わせて乗り越えていけるようにと、
この言葉を遺したのではないでしょうか。
しかし、悲しいかな、そんな母の本当の気持ちがはっきりと伝わらないまま、“その日”は訪れてしまいました。
最愛の母の死。
姉妹の『変化』と…そして、新たな生活の始まり。
立て続けに大きな出来事がありながら、無常にも月日は流れていきます。
中学生になり、それぞれが違いを見せ始めた五つ子たち。
このページでは、また一つ、我々も見たことのない四葉ちゃんの表情が描かれました。
モノローグなどを見ていても、やはり四葉ちゃんは、母が、五人が“同じ”であることを望んでいたのだと思い込んでしまっているように見えます。
しかし、そう考えてみると、この時点ではまだ、母の言葉が『枷』となっているとまでは少しばかり考え辛いところです。
なればこそ、来週以降では、その教えが彼女たちにとって重要な意味を持つようになる展開があるのでしょう。
そういったポイントを踏まえつつ、いよいよ本稿の締め括りに入っていくことにします。
◎まとめ
さて、今週のお話では、『写真の子』・四葉ちゃん視点で、6年前の真相が明かされました。
互いに『自分は必要のない人間なんじゃないか』という思いを抱えていた二人の邂逅は、誰が何と言おうと、『運命』に他ならないものだったのでしょう。
あの日の『約束』、そして『お願い』は、『さよなら』をした今でさえも、二人にとって大切な思い出なのは間違いありません。
個人的には、それが、今なお一人で抱え込んでいる四葉ちゃんを解放するための『鍵』となってくれたらいいなと思います!
差し当たっては、来週以降の展開でしょうか。
先週から今週にかけてのタイトルの推移を見るに、次回のタイトルは【私と姉妹②】だと予想されます。
それが一話完結なのか、数話ほど続くのかは分かりませんが、五つ子ちゃんたちの中学時代や、四葉ちゃんが落第するまでの経緯が描かれると考えていいでしょう。
これに関しては、最後に、自分なりの予想を記すことにします。
四葉、中学にて運動能力が開花。
成績が伸び悩んでいた時期に、部活の助っ人などを通して、勉強以外でも『誰かに必要とされる』方法があることを知り、以来、『人助け』に励むようになる。
(同時に、かつての明るさと笑顔を取り戻し、現在の性格が形成される)
↓
『七つのさよなら』編のように、『人助け』をするあまり勉強が手につかないことが増え、成績は下がっていく。
↓
物語開始前、上記のことが原因となり、彼女だけが追試験をクリアできず、落第が決定。
↓
一人だけ転校しようとするも、姉妹は母の教えに従って、四葉に付いてくる。
『皆を不幸にした』という自責の念に駆られてしまう出来事であったのは間違いないが、彼女にとってそれは紛れもなく『救い』でもあったため、以降は母の教えを受け入れ、結果、それが大きな『枷』となる。
…といったところでしょうか。
これが当たっているかは定かではありませんが、用意されているシナリオは、恐らくは文字だけでは到底表すことのできない、とても辛いものである筈です。
とは言っても、現在の本編で語られているのは、どう足掻いても変えることのできない『過去』。
四葉ちゃんも、五月ちゃんも、風太郎も、『未来』に向けて歩みを進める以外の選択肢はありません。
そしてまた、我々にできるのは、風太郎を信じて、ヒロインたちの幸せを願い続けることだけです。
いつの間にか風太郎は、我々読者全員の思いを背負った、本当に素晴らしい主人公になってくれましたね。
彼のことを心から信じつつ、まずは来週以降の展開に期待していきたいと思います。
(最後雑になってすみませんでしたm(_ _)m)